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ワクワクする人生の歩き方

先日、長田 弘さんの

「あのときかもしれない」という詩を

読みました。

 

『君はある日、

突然大人になったんじゃなかった。

 

気が付いてみたら、

きみはもう大人になっていた。

 

なった、じゃなくて、

なっていたんだ。

 

ふしぎだ。

 

そこには境目が

きっとあったはずなのに

 

子どもから大人になる境目を

君がいつ飛び越しちゃってたのか

 

きみはさっぱりおぼえていない。』

 

 

1~8までの短い詩の中で

自分が大人になったのはいつ?

 

「そうだ、きっと

あのときだったんだ」と

 

語っていく詩です。

 

確かに、自分はいつ

大人になったんだろう。

 

子どものころは

よかったなぁなんて

色んなことを回顧しながら

 

じゃあ、あの無邪気な気持ちを

失ったのはいったいいつだ?と。

 

ひとつひとつの詩に

「ああ、なるほど」と

思える瞬間があって

 

すべて読み終えたあと

確かに自分は「大人」に

なったんだなぁと

考えさせられる詩でした。

 

 

で、それを読みながらも

「大人になって良かったかい?」

と思う部分も多々あって。

 

 

8つの話の中の「3」が

私にとって特に寂しく、

大切な気持ちを失ったような

そんな内容だったのです。

 

 

『こどものきみは

道をただまっすぐに

歩いたことなどなかった。

 

右足を前に出す。

次に、左足を前に出す。

 

歩くってことは、

その繰り返しだけじゃないんだ。

 

第一それじゃ、

ちっともおもしろくも

なんともない。

 

きみはそう思っていた。

今度はこの道をこう歩いてやろう。

 

どんなゲームより

どんな勉強より

 

それを考えるほうが

きみにはずっと面白かったのだ。

 

 

 

今街を歩いているきみは

どうだろう。

 

歩くことが、いまもきみには

楽しいだろうか。

 

 

 

街のショーウィンドウに

 

出来るだけ少なく歩こうとして

急ぎ足に、人ごみの中を

うつむいて歩いてゆく

1人の男のすがたがうつる。

 

その男が、子どものころ

あんなに歩くことの好きだった

きみだなんて

 

きみだって信じられない。

 

 

 

歩くことのたのしさを

 

きみが自分に

なくしてしまったとき。

 

 

そのときだったんだ。

 

そのとき、きみはもう

一人の子どもじゃなくて

一人のおとなになってたんだ。

 

 

 

歩くということが

きみにとって

 

ここからそこにいくという

 

ただそれだけのことに

すぎなくなってしまったとき。』

 

 

※前半少々省略しています

 

そう、小さなころは

『歩く』ことさえ楽しかった。

 

みちをただ

まっすぐに歩くことなどなかった。

 

小石を蹴りながら

縁石の上をわたりながら

ぼっこを拾って振り回しながら

けんけんぱをしながら

 

 

登下校の道だって

あそびの舞台。

 

でも、確かに

私は今外に出たとき

 

ただ「歩いている」。

 

「歩くということが

ここからそこにいくという

 

ただそれだけのことに

すぎなくなってしまったとき」

 

 

そうだ、私は

歩くのが楽しくて仕方なかった

あの気持ちを

いったいいつ、

失ったんだろう。

 

ただ前に足を進めることなのに

色んなことを試して

 

こう歩いたらどうなる?って

ワクワクして

 

あの道を曲がったらどこに行く?

ってドキドキして

 

変な道を見つけると

ここをどう歩いてやろうか考えて

日々が刺激に満ちていたのに

 

私はそういう気持ちを

すっかり失っている。

 

ああ、私は大人。

 

あんなにワクワクした

「歩く」という楽しさを

今はもう思い出せない。

 

大人って、つまらない。

 

この詩を読んで

「つまらない大人に

なった自分」に

気づかされた私は

 

子どものころの

歩くだけで

楽しくて仕方なかったころを

思い出して寂しくなりました。

 

 

***********************

 

 

2月11日

「釧路地域クラウド交流会」

 

私はそれに参加しました。

 

地域クラウド交流会とは

起業した人

起業したい人

それぞれが熱い想いを

多くの人の前でプレゼンし

 

その想いに共感した人は

共感したプレゼンターに投票

 

優勝には副賞が付きますが

 

どのプレゼンターも

投票された票数の分だけ

商品券による資金提供

(クラウドファンディング)を

してもらえるというものです。

 

1票500円で

参加者は今回216人(凄いね)。

 

仮に、全員が一人に投票すると

10万円ちょいの商品券。

でも全員が一人に

投票することはないから

 

起業家にとって、その金額は

そこまで大きなものではないでしょう。

 

 

でも、プレゼンターの皆さんは

多くの人の前で

自分の想いを語ります。

 

このイベントは

 

「自分の想いを人に伝える」

「色んな人の想いを知る」

「ひととひとがつながる」

 

そういうイベントだと思います。

 

多分、プレゼンターの皆さんは

優勝したいなんて思ってない。

 

欲しいのは商品券じゃない。

 

ただ、自分を知ってほしい。

ただ、興味を持ってほしい。

 

そして、応援してほしい。

 

 

今回は5人のプレゼンターさんが

様々な想いを語りました。

 

どの方も様々な想いを持っていて

どの人も応援したくなりました。

 

でも私が持っているのは

たった1票です。

 

誰に投票したかは

ここには書きませんが

 

本当は全員に投票したいぐらい

全員を応援したいと思いました。

 

 

他のプレゼンターさんの発表に

心を打たれて

 

自分のプレゼンの際に

嗚咽を漏らして

泣きだした方もいて

 

その方、自分のプレゼン

ほとんどできなかったんです。

 

自分が何で起業したのか

どういうことをしているのか

そんなことは殆ど話さず

 

”自分は熱い想いを持っている

でもほかのプレゼンターさんも

素晴らしい思いを持っている

 

そしてこんなにたくさんの人が

ここに足を運んで

その想いを聞いてくれていること

 

それが本当にうれしいんだ”

 

そんなような話で

限られた3分を殆ど使って

 

泣きながら

そりゃーもう熱く語っていました

 

その姿があまりに情熱的過ぎて

多くの人が思わず笑っていましたが

 

私はなぜか

もらい泣きしてしまって

会場が笑いに包まれる中

涙が止まらなくて

 

本当だよ、本当にね

 

みんな凄いよ。

 

 

 

誰かの未来のために

自分の過酷な人生を

漫画にしてさらけだしたひと

 

漫画家の最上さん

 

 

今はもう寂れた元繁華街を

活性化させるため

北大通にひとの

居場所をつくろうとしているひと

 

ハーフェンツェルトの中村さん 

 

 

体操を通した児童デイサービスで

障害を持つ子どもたちに

身体を動かす楽しさを

教えていきたいひと

 

スリールの天野さん

 

 

 

キッチンカーで各地を回り

キューバサンドを売って

人とのつながりと笑顔を

広げていきたいひと

 

グラシアスの山崎さん

 

 

ものと人をつないで

それぞれの人がそれぞれに

快適な暮らしを出来る生活を

提案していきたいひと

 

かたしかたさぽーとの金田さん

 

 

みんな、素晴らしかった。

たった3分のプレゼンに

人生のドラマが

詰まっている気がしました。

 

 

後から投票所に行ったら

一人のプレゼンターさんと

ちょうど投票のタイミングがかぶりました。

 

自分に投票するんだろうなと

思っていたのに

その人は違う番号を告げました。

 

投票所の人も思わず

「自分に投票しないんですか」

と言いました。

 

 

「自分は優勝したくて来たんじゃない

大事なのは優勝することじゃない

 

自分は、頑張る誰かを

応援したくて来たんだ」

 

 

投票結果が発表され

優勝したのは

 

漫画家の最上さんでした。

 

 

でもね。

ほんと、みんな素晴らしかったよ。

 

 

そしてこの「地域クラウド交流会」

 

「応援し隊」というものを

募集しておりました。

 

応援し隊をやると

プレゼンターの3分より短いですが

1分間のプレゼンタイムがもらえます。

 

 

実は私、Bocco.の活動を

始めたころに

「ちいクラのプレゼンターに

推薦してみようか?」と

知人から言われておりました。

 

 

でも、私は

 

「人前で話すとか超苦手!

無理無理無理無理!!」

 

そう言って、丁重に(?)

そのお話をお断りしました。

 

 

でも、やりもしないで

出来ないって言って

 

「どうせ無理」って

 

自分で自分の可能性を決めつけて

 

前に出て想いを語る人を見て

ただ「すごいなぁ」って言って

 

お話を断ってからずっと

 

そんな人生でいいのかなって

ずっと、思っていたのです。

 

 

 

無理かどうかは

やってみてから決めろ

 

私、この言葉。

子どもによく言うんですよね。

 

なのに自分は、

無理って思ったことに

チャレンジしないで

 

チャレンジしてる人を

ただ羨望のまなざしで見てるだけ

 

 

「あの人は凄いなぁ」

「私はああいう人にはなれないや」

 

 

私の子どももいつも

同じようなこと言うんですよね。

 

 

「あの子はすごいなぁ」

「私はどうせダメな子だから」

 

 

いいからやってみなよ。

やってみたら

出来るかもしれないじゃん。

 

いつも私が子どもに言う言葉。

 

その言葉を自分にも言ってみるよ。

 

 

「応援し隊」やってみろよ。

誰かを応援して

もらえた1分で

想いを人に伝えてみろよ。

 

 

前日まで、やるかやらないか

うじうじと悩んでおりました。

 

 

そして、当日の朝、決めました。

「応援し隊」をやる。

 

クラウド交流会を応援して

自分を応援してくれる人も増やす。

 

朝からずっと

 

あれを話して、これを話して

1分で多くの人の心をつかむような

すごいプレゼンをしなきゃ

 

そんな風に考えていたのに

 

 

 

投票が終わって

「応援し隊」の人に声がかかり

私はなんとプレゼン1番手

 

でも、5人のプレゼンターさんの

想いを聞いて感動して

 

会場でドタバタと

応援し隊として

写真撮影のお手伝い

 

いろんな方とお話しして

 

 

まぁ、いいや

今日は、笑顔でさらっと

 

「自分」が何をしてるか

何となく言えたら

今日はそれでOKだ

 

そういう気持ちに変わっていて

 

マイクを渡されて

話し出す前に

会場にいた友人たちが

にっこり笑ってくれたのが見えて

 

話し始めた時

思ったほど緊張していなかった

自分がいました。

 

何を話したかは覚えていませんが

あとからみんなに

「ちゃんと話せてたよー」と

言ってもらえて

 

まぁ、今日の自分には

合格点だよと

言ってあげたい。

 

 

以前イベントの際に

ラジオに出た時も

最初は無理無理!って断っていて

 

いざ出てみたら楽しくて

出来た自分にびっくりして

 

イベント開催もずっと、

ちゃんと出来るのかなって思っていて

 

でもやってみたらこれまた

楽しくて、またびっくりして

 

そんな小さな一歩を重ねて。

 

 

ちいクラの

たった1分のプレゼンも

私にとっては小さな一歩。

 

 

****************************

 

 

冒頭の詩の話。

 

 

普段、道を歩く楽しみ方を

忘れてしまった大人の私

 

なんで道を歩くのが

楽しくなくなったか

 

 

それは、どこに足を置いたら

何がどうなるかが

もう、多くの経験から

見えているから

 

子どものころ

歩くだけでワクワクしたのは

 

その一歩を

予想外の方向に踏み出したら

どうなるか、わからなかったから

 

何が起こるかわからないことに

挑戦することが

楽しかったんだと思う。

 

失敗をほとんど知らなかった

子どものころは

 

挑戦することが

怖いことじゃなくて

楽しいことだったんだと思う。

 

 

今回のちいクラで

小さな一歩を踏み出したとき

ワクワクしたんですよ。

 

今まで自分が

踏み出そうと思わなかった

ここに足を踏み出したら

どうなるんだろう?って。

 

 

緊張してどうせ失敗するからと

観客側に座り込んで

誰かを応援する道もあった。

 

多分、自分の人生で

いつも選んできた道。

 

今までの人生経験から

失敗しないって

わかっているから

その道を歩くのは怖くない。

 

 

でも、

 

多分ずっとその道を歩くのは

面白くない。

 

面白くないけど

この道を歩いておこうよ。

 

とりあえずこの道は

失敗もなく

安全に進めるから、と

 

大人になった私は言う。

 

 

私の心の片隅に残った

子どもの心が

「ちょっとこっちのけもの道に

行ってみようよ」と言う。

 

 

私はこの日、

その声に従ってみたんだ。

 

そしたら、子どものころの

ただ歩くことが楽しかった

自分を思い出したんだ。

 

 

さて、次の一歩を

どう踏み出してみようか。

 

 

 

人生の終着点が

死だとしたら

 

安全に歩ける舗装された道を

ただ前に進むだけの人生で

最後に見える景色はどんなだろう?

 

振り返った道はどんなだろう?

 

 

何が起こるかわからない

けもの道を歩いて

道がないところにも踏み込んで

通り抜けた先の景色は

どんなだろう?

 

振り返ったときに、見える

自分が作ってきた道は

どんなだろう?

 

 

ワクワクするのは

どっちかなんて

考えるまでもない。

 

だから私は

今まで出来ないと考えて

無理だと諦めて

避け続けた道を行ってみる。

 

 

何が起こるかわからなくて

怖いけど

何が起こるかわからないから

きっと面白くて楽しいのだ。

 

 

********************************

 

 

投票が終わった後に

プレゼンターの方々が

一言ずつご挨拶しました。

 

一人のプレゼンターさんが

言いました。

 

「皆さんの人生の

貴重な3分間を

僕のために使ってくれて

ありがとうございました」

 

 

想いを誰かに伝えることも

誰かの想いを聞くことも

 

きっと無駄じゃない時間で

 

でもその時間に対して

ありがとうと言えることは

凄いことだと思う。

 

 

毎度毎度長い

私のこのブログの文章

最後まで読んでくれた方

 

何分ぐらいかかって読んだか

わかりませんが

 

人生の貴重な時間を使って

最後まで読んでくれた方に

 

私も、ありがとうの言葉を。

 

 

皆さん、楽しい人生を

歩きましょう。 

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コメント: 4
  • #1

    ゆきね (水曜日, 12 2月 2020 20:07)

    Bocco隊長、私も昨日似たようなことを考えていました。
    いつから自分はこう考えるようになったんだろう?逆に私はもう少し大人になろう!と思いました。
    勿論、子供の自分も大事にしながら…どんな自分も受け入れて1番ワクワクすることに集中しよう!もう逃げるのも自分をごまかすのも辞めよう!って…。
    隊長の純粋な気持ち、人を大事に思う優しさ素晴らしいですね。
    きっとこれから楽しい事沢山ありますよ!歳を重ねてもいつもワクワクでいましょうね。
    ちなみに私は未だに氷を割りながら歩いています笑

  • #2

    Bocco隊長 (木曜日, 13 2月 2020 06:09)

    >ゆきねさん
    コメントありがとうございます。
    ブログにコメントいただいたの、
    初めてでうれしいです。

    昨日似たようなことを考えていたなんて
    本当に同じような時期に
    同じことを感じるとは不思議ですね。

    もう少し大人に?
    何か足りなかったのでしょうか。

    「あのときかもしれない」
    読んでみるのをオススメします!
    (ネット検索でも出ますが
    本で見るとより一層心に響く
    気がします。図書館にあります)

    私は長田さんが描いた
    8個の「おとなになったとき」
    すべてを満たしていました。

    でも、満たしてない大人の方が
    面白い大人じゃないかと思っています。

    6で描かれた
    「大人になった瞬間」は

    「なぜ」と元気に考える代わりに
    「そうなってるんだ」という
    退屈な答えで
    どんな疑問もあっさり
    打ち消してしまうようになったとき

    なんですが
    本当に退屈すぎる答えですよね。
    これが出来る大人になんて
    ならなくていい!と思っています。

    でも、やっぱり
    大人になったほうが
    いい部分もあって
    バランス良いのがいいんでしょうね。

    自分をごまかして、ずっと
    「そうなってるんだ」で生きていたら
    死ぬときに
    「やっておけばよかった」って
    思うような気がしています。

    私も
    氷を割って歩くの好きだし

    新雪に足跡を残すのも
    まだまだ楽しいですよ~(笑)

    特に白っぽい薄氷を
    綺麗に割っていくのが好きです。

    誰も割っていないまま
    綺麗に残っている場所を見つけたら
    すごく嬉しくなります。

    これも、きっと
    「あたらしいこと」に
    ワクワクするからなんでしょうね。

  • #3

    ゆきね (木曜日, 13 2月 2020 07:02)

    読んでみます!
    新雪に足跡…私達似てるかも笑
    あっ!て思いついた事、新しいアイデア、ワクワクしちゃう事、全部やっちゃいましょう!
    絶対、素敵な人生になるよ。
    最期に楽しい人生だった!やりたい事全部やった!と振り返れる…なんて幸せなんでしょう

  • #4

    Bocco隊長 (木曜日, 13 2月 2020 10:57)

    >ゆきねさん
    あっ…でも、本、
    私が今、借りてます�

    あのときかもしれない、って
    タイトルの本ではなくて
    「深呼吸の必要」という本です。

    静かなんだけど心の奥底に
    語りかけてくるような詩が
    沢山入っていて…

    ちょっと、買っちゃおうかな?と
    思っている私です。

    死ぬときに
    「最高に人生楽しんだ」と
    言えるような生き方を
    したいですね!